2021.05.12

知ってるようで知らない? マンションの謎 〜その3 マンションの水はどこからやってくる?〜

戸建てに比べてゴミ出しもラクで、セキュリティ面での安心感も強いマンションライフ。とはいえ、便利な反面「知っておくべきことを知らないまま過ごしていた」なんてことも。マンションって、実は奥が深いんです!

かつては水槽とポンプを使う「貯水槽給水方式」が一般的だった

イラスト/渡辺コージ

戸建てでもマンションでも、浄水場で作られた水が配水管を通ってやってくるのは同じですが、集合住宅の場合、各戸の蛇口までの経路はおもに2つの給水方式に分けられます。

1つは、いったん「受水槽」に貯めた水をポンプで屋上の「高置水槽」へ汲み上げ、自然流下で各戸へ給水する「貯水槽給水方式」

もう1つは配水管からの水を水圧や増圧ポンプを使って、中高層階まで直接運ぶ「直結給水方式」です。

水圧の強い地域であっても、配水管から水圧だけで上階に給水できるのは3階が限度。そのため、4〜5階以上のマンションでは、受水槽から高置水槽へ水を汲み上げる「貯水槽給水方式」で給水するのが一般的でした。

屋上に大きなタンクのようなものがあるマンションは「貯水槽給水方式」だと判別することができます。

ところが、昨今建てられたマンションには、屋上の高置水槽が見あたりません。そう、高さのあるマンションでも「増圧ポンプ」で水圧をブーストする「増圧直結給水方式」が可能になったのです。ちなみに東京都の場合、1995年から増圧直結給水方式を採用するようになり、2008年には大規模マンションでも複数の増圧ポンプを使うことで直結給水が可能になりました。

やっぱり安全でフレッシュな水がいい!

「貯水槽給水方式」は、図のように受水槽と高置水槽を設置しているため、災害などで断水したときにも、しばらくは高置水槽からの流下で水を得られるというメリットがあります。

とはいえ、タンクに水を貯め置くため、おいしい水は期待できないのが実情。夏には水槽が温められ、1日中ぬるい水が出てきたりします。

受水槽や高置水槽の耐用年数は20〜25年。年に1度の清掃義務がありますが、清掃義務を怠っているマンションもなきにしもあらず。

貯水タンクの衛生管理をしないと、内面にカビやコケが繁殖し、人体に悪影響を及ぼすことさえあります。高経年のマンションではタンクが劣化していないかも注意が必要。ヒビが入っていたり、フタがきちんと閉まっていないと、恐ろしい異形の者たちが入り込んでいることだってあるのです(キャーッ!)。

一方、「直結給水方式」であれば、つねにフレッシュで衛生的な水を享受することができ、貯水タンクの維持管理・衛生管理が不要。場所を取らないというメリットもあります。

そのため「直結給水方式」へ切り替え工事を行う古いマンションも増え、60年代以降活躍していたマンションの貯水タンクは次第に姿を消していっています。

切り替えにかかるおおよその工事費は100戸1000万〜。自治体によっては補助もありますので、給水設備を改修する際には検討してみるといいかもしれませんね。

「知ってるようで知らない? マンションの謎 〜その2 管理組合の理事って何?〜」は こちら

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