2021.03.18

ダンディ理事長が優しく答えるマンションライフお悩み相談

イラスト:Halls

第一回 修繕積立金を値上げするにはどうしたらいい?

今回のお悩み

「修繕積立金がまったく足りず、次の修繕工事ができるのか不安です。積立金を値上げするとき、みんなから賛同を得るにはどうすればいいでしょうか?」

相談者:新米理事タケちゃんさん(築39年・75戸の都内マンション在住)

回答してくれた人:大饗将司さん

本業は鍼灸師。香川県出身。自由が丘のマンションで治療院を開業したが、建物の老朽化をはじめ、さまざまな問題に直面。管理組合の理事長としてマンション改革に取り組んだ。

当然、反対はある。それでも相手の話を聞こう

うちは築50年、36戸なんですが、修繕積立金の月額が長年6,000円のままやったんですよ。僕もあと2、3年後には外壁工事という時期に理事が回ってきたんですが、その前に水道管が破裂して、低層階の店舗が水漏れして「これは水道管も修繕しないとヤバいんじゃないの」と。

そんな状態で理事長を引き継いだんですが、修繕積立金を見てビックリ。全然足りてないわけです。今までお金をきちんと計算する人がいなかったんでしょうね。考えずに払って、足りない分は借金して工事してきたわけですが、それだと利子も払い続けないといけないし、高くつくんですよ。だからこそ「前もってみんなで積み立てておきましょう」というのが修繕積立金じゃないですか。

そこで理事会を開いて値上げを提案したのですが、当然、賛同者もいれば「払いたくない」と抵抗する人も出てきます。とくに古くから住んでいる人ほど「昔はこうだったから」と受け入れてくれない。「あいつは管理会社と結託して悪だくみしてる」みたいな怪文書を回す人もいましたよ。

でも、それを邪険に扱っても何も解決しないので、話は一人ひとりしっかり聞くことにしました。

値上げのメリットを客観的に説明しよう

大事なのは、相手の話は尊重するけど、問題の定義がブレないようにすることやと思います。

「お金がない限りは、何もできませんよ」、「これは不利益にならないための提案なんです」と。

そして「自分たちはこんな状況で6,000円しか積み立ててないけど、周囲のマンションでは平均でこのくらいですよ」と客観的なデータを集め、3つのプランを提示して理解を求めました。最終的には、倍の金額で合意が取れましたが、ストレスは溜まりますね。

僕は本業が鍼灸師なんですが、慢性痛を抱えている人が、なぜ良くならないかというと、変わりたくないと思っているからなんです。この問題も同じで、反対する人は、マンションという箱の中で主観でしか考えられなくなっている。だから変化に不安を感じるんだと思います。

でも、そのままでは痛みがひどくなるだけで、周りが変わっているのに自分たちだけ取り残されてしまう。やはり外を見ることも大切だと思うんです。マンションの問題って慢性痛みたいなものなんですよ(笑)

今回のダンディ理事長のお言葉

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