2021.09.25

ペットと暮らすマンションライフ 第6回〜集合住宅ならではの知識と簡単なひと工夫でもっとHappy!〜

最終回の今回は、集合住宅ならではの工夫を紹介します。「うちの猫が、またお隣りに脱走してしまった!」「イタズラされていつも室内がグチャグチャ」という方はいませんか? 犬や猫の特性や行動についてきちんと理解しておけば、ペットも飼い主もおだやかな気持ちで過ごせるようになるはずです。

「退屈させないためバルコニーで遊ばせる」はNG!

画像:Edophoto / PIXTA(ピクスタ)

集合住宅は、天井や床以外にも廊下やバルコニーでもよそのお宅や生活空間とつながっていることが多いもの。ペットの毛などが干していた布団や洗濯物に飛び乗ったり、アレルギーのある人のお宅に入ってしまったりしては、苦情を言われても仕方がありません。そことから大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。

バルコニーの仕切りはきちんと区切られているように見えますが、特に猫は隙間や手すりから簡単に移動してしまうので、バルコニーに出さないようにする方が賢明です。

また、3階以上の高層階で鳥を追いかけて手すりを踏み外す猫の落下事故も起きています。危険防止の点からも、バルコニーには出さないようにしましょう。

金巻さん「犬は猫ほどは転落の心配はあまりないのですが、バルコニーに出すことは騒音と衛生上の関係からおすすめできません。バルコニーの手すりから外が見えるようなデザインになっている場合、通りすがりの人や車を不審者とみなして吠え、学習することで吠えグセがつきやすくなります。さらに、バルコニーで遊ばせたりブラッシングしたりするのも、抜け毛の飛散で公衆衛生上、望ましくありません」

ペットにとって出ている物はすべてオモチャ!収納の工夫でスッキリと

犬や猫にとって、触れる範囲にあるものはすべてオモチャです。見えるところに物が多いようだと犬や猫のイタズラを誘ってしまいますし、もし飲み込んでしまったら大変です。

勝手にさわらせないものがある場所では、「見せない」「さわらせない」「入らせない」の三原則が重要になります。

見えるところに物が多いのは、イタズラだけでなく掃除もしづらいデメリットがあります。ものがパッとしまえるよう、収納を多めにすることが解決の一歩です。

金巻さん「置き家具を増やすと湿気もホコリもためやすくなるので、作りつけを多くする、置き家具なら動かしやすくすると掃除も楽です。注意してほしいのはゴミ箱。犬や猫にとってはおもしろそうなものの代表格。収納に組み込んでしまうのがいいですね」

お気に入りのオモチャでも、出しっぱなしでは飽きてしまいます。オモチャ類も、きちんと収納するようにしましょう。

また、犬はカウンターやテーブルの上に置いたものを尻尾で叩き落としてしまうことがあります。大型犬だと、かなり大きいものでも倒してしまう力があるので、注意が必要です。

金巻さん「尻尾を振るのは感情表現をする上で必要な行動ですから、責めるのはかわいそう。テーブルやカウンターは、犬の頭より高くすること。イタズラだけでなく、人が食事をするときにテーブルの上が見えないので食べ物に足を伸ばしづらくなり、怒られる回数も減ります。人も犬もお互いにストレスがなくなるのです」

画像:pearlinheart / PIXTA(ピクスタ)

さて、ペットと暮らすマンションライフは今回が最終回となります。

最後に、ペットを集合住宅で飼うときの心構えについて改めてお話しましょう。

まず、飼育に際して家主や管理組合の同意が得られるかどうか。「第3回 ペット飼育の細かい決まりは「管理規約」にあり!」で説明したように、管理規約をきちんと読んで理解しておくことが必要です。

次に、散歩ができる安全なコースや公園があるかどうかなどの、周辺環境にも気を配りましょう。夜間に騒音を発するような店舗は近くにないか、夜間診療してくれる動物病院が近くにあるかなどもポイントです。金巻さん「集合住宅にふさわしい飼育方法や住み方を知ることで、人とペットが心地よく、楽しく暮らせます。まだまだお話ししたかった、たくさんの暮らし方の工夫があります。《動物と暮らす住研究所》では、そういった暮らし方から建築的技術に関することなどを取り上げています。また、金巻の建築家としての『犬や猫と暮らす住まいの相談会』などのイベントがあるときもお知らせしておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください」

「ペットと暮らすマンションライフ」シリーズ

「第1回 ペットトラブルは飼い主が原因!?」

「第2回 ペットトラブル解決のカギは隣人とのコミュニケーション」

「第3回 ペット飼育の細かい決まりは「管理規約」にあり!」

「第4回 人もペットも病気にならない工夫は適切な室温と湿度で」

「第5回〜犬にも猫にも、それぞれにあったくつろぎの居場所が必要〜」

監修:金巻とも子(かねまきともこ)/一級建築士、博士(工学)、家庭動物住環境研究家。建築設計業務の他、家庭動物との住まいをテーマにした住宅建築と生活商品開発に携わり、行政や獣医師会等に協力し、適正飼養に向けた環境整備の推進にも取り組んでいる。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。工学院大学建築学部非常勤講師。東京都動物愛護推進員。

一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房URL:http://pal-design.jp

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